ほぼ毎日ランチ部 お好み焼き

ふじ【福知山/お好み焼き/鉄板焼き】お母さんがひとりで営む地元の人気店

ローカルフードの醍醐味ここにあり!
福知山名物「うす焼き」「ゴム焼きそば」

Vol.2 【2020年6月某日のランチ】
「ふじ」のうす焼き(野菜焼き)350円、焼きそば(ゴム焼きそば)600円 合計950円

福知山には「うす焼き」と「ゴム焼きそば」という、鉄板焼き系2大ローカルフードがある。それは安価で庶民的な「B級グルメ」のツインタワーだ。

6月某日に訪れたのは、新広小路通りから一本入ってすぐの場所にある、お好み焼き・鉄板焼きの「ふじ」。店主の藤本加代子さんがこの地で開き、ひとりで切り盛りしている店だ。今年で創業38年目。藤本さんは常連客から親しみをこめて「お母さん」と呼ばれている。
はじめて訪れた旅行客も「実家に戻ったような安心感がある」と語るところをみると、数値化できないものの、ふじの「実家度数」と藤本さんの「お母さん度数」はすこぶる高いといえよう。

店内には、7つの客席が鉄板を囲むようにL字に配置されている。注文したのは、福知山名物「うす焼き」のメニューの中から「野菜焼き」(350円)と、地元で「ゴム焼きそば」と呼ばれている「焼きそば」(600円)だ。
うす焼とは、生地の薄いお好み焼きの総称。ふじでは一般的なお好み焼きを「あつ焼き」と呼んで区別している。
ゴム焼きそばは、弾力のある麺の食感と麺の色から。そう呼ばれている。ゆでずに2度蒸して茶色くなった麺は、たしかに輪ゴムの色をしている。
太平洋戦争直後から福知山で食べられていたものだが、10年ほど前、地元の有志が「ゴム焼きそば」と命名してから一気に認知されるようになった。

お母さんは世間話をしながら、うす焼きをつくりはじめる。鉄板の上にひいた薄い生地はきれいな円形に広がった。その色と形はお好み焼きというよりクレープに似ている。

手鍋からおたまで1人分の生地をすくって鉄板で薄くのばす。

「うす焼きの生地は薄いほどうまくなるんですよ」

そう言ってお母さんは薄い生地の上にパラパラと揚げ玉を置き、ネギをピラミッドのように積み上げた。7センチほどの高さだ。うす焼きの野菜焼きは、主な具がネギなので「ネギ焼き」と呼ぶ人も多い。

薄いクレープのような生地の上に揚げ玉を置く。
その上にネギをどっさり山盛りにのせる。

お母さんは、その頂点に紅生姜をちょこんと載せたあと、両手に握ったコテを生地の下にすべりこませ、くると裏返した。よっ、お見事。思わず拍手。

ネギピラミッドの頂上に紅生姜をトッピング。
大きなコテで裏返し。薄い生地は夏の掛布団のよう。

薄い生地は夏の掛布団のようにやさしくネギを覆う。
「ネギは水分が多いから焼くとぺちゃんとつぶれ、食べやすくなるんです。それに焼いたネギはキャベツより甘いんですよ。私は小さい頃からこれをおやつにしてました」
お母さんは楽しそうに話してくれる。
そうか、うす焼きはボリュームが少なく、しかも簡単につくることができるので、現代でいうところの「ファーストフード」いや、「ローカルファーストフード」だったのか……。

お母さんは頃合いを見計らってうす焼きを裏返した。
「はい、できましたよ。先にソースをかけて食べてね」

ネギが焼けたら、またひっくり返し、ソースをぬる。
はい、完成。これを小さなコテで切り分けて食べる。

あの山盛りだったネギは紅生姜と一緒に平面になっている。オレは「ネギの圧縮データか!」と心の中でネギにツッコミを入れたのち、ソースをぬり、青のりをかけた。
客は小さなコテ(広島では「ヘラ」)で切り分けて食べる。アツアツ、ほぐほぐ。うひゃうひゃ~。
”圧縮ネギ”は想像以上に甘く、ネギに絡まるソースは香ばしい。「そうか、ネギの圧縮データだけに甘味も凝縮しているのか」と、おいしさのしくみを発見して大満足。アツアツ、ほぐほぐ。約1分で完食。

ゴム焼きそばの具は、豚肉とキャベツ、モヤシ。味つけは、塩とうまみ調味料、ソースをかけて整えて炒める。たちまち完成。

ゴム焼きそばには、ゆでずに2度蒸して茶色くなった麺を使用。
お母さんが目の前の鉄板で、麺、豚肉、キャベツを焼いてくれる。
お母さんがお皿に盛ってくれた、当日のゴム焼きそば。

皿に盛られたものを箸でいただく。うむ。いつ食べても弾力に富み、噛みごたえのある麺だ。噛めば噛むほどソースと絡まり、どんどん甘くなる。この食感を味わうのがゴム焼きそばの醍醐味。ソースの味は麺を楽しむためにやや控えめだ。主役はやはり麺だな。
こちらもあっという間に完食。よく噛んで食べたので、アゴのあたりに充実感があるぞ。

実家で母のつくる料理をたらふく食べて満足した息子の気分で店を出た。のれんには、店名の横に白抜きの文字で「おかえり」と記されている。
憎い演出だなぁ、お母さん。じゃあ、またふらっと帰ってくるよ。
(らく)

「お母さん」藤本加代子さんと店頭で記念撮影。
店名お好み焼き・鉄板焼き ふじ
住所京都府福知山市田西本町154
電話番号0773-22-6063
営業時間【昼】12:00~14:00
【夜】17:00~22:00(ラストオーダー21:30)
定休日日曜日

※料金と上記データは2020年6月10日時点のデータです。

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