北近畿チンミ共和国 お土産 ふくたんコラム

第1回 お取り寄せ珍味は「へしこ」
ACT2(へしこ劇場 第2幕 KAYO)

イラスト:あだす

福知山のみならず世界各国・全国各地にいる「ふくたん」読者に向けて、北近畿の珍味の魅力を紹介する不定期連載「北近畿チンミ共和国」。第1回目のお取り寄せ珍味は「へしこ」。

珍味案内人のウタコ&カヨがへしこ商品を調理して存分に味わい、その奥深さを全国の珍味ファンに届けてくれます。ACT2(へしこ劇場第2幕 KAYO)では、へしこ初体験のカヨさんが”未知の珍味”に挑みました。さあ、カヨさんのへしこ体験を一緒に味わってみよう!

珍味案内人プロフィール

丹波地域の気になるモノやコトを女性ならではのゆるやかな視点で紹介する情報発信クリエイター。文章を通じて人生にキラリ灯がともるようなモノ・コトを伝えることが目標。渋い定食屋さんや、外観とメニューのギャップのあるお店をときめきレーダーで発見するのが楽しくなってきた今日この頃。

<Instagram>丹波しるみる
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珍味を探し続けて三千里。珍味を求め、珍味を愛するアラフォー。旅先のスーパーで変わった食材を見ると小躍りする癖がある。気になるものは、とりあえず食べてみるが信条。苦手な食材はきゅうり。

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ふくたんチンミニ知識 『へしこ』のミニ知識はこちらから

海のない里山育ちのカヨの
「珍味へしこ」初体験!

こんにちは! 以前ふくたんの特集「福知山きちゃった!プチ旅観光MAP」で登場させてもらったカヨです。

今回、編集長から「北近畿チンミ共和国」という、なにやら怪しげ……いえ、おもしろそうな企画にお声かけ頂きました。北近畿の気になる珍味をお取り寄せ、実食レポするというたいへん美味しい企画に参加できる喜びをかみしめています。やほー!

北近畿チンミ共和国、初回のテーマは「へしこ」。ACT1(へしこ劇場 第1幕 UTACO)で登場したウタコねーさんの好物なのです。
でも、うちあわせの際にこの珍味が話題にあがったとき、わたくしカヨは、「へしこって何? どんな味? えっ、なんだって魚を糠に漬けるんだと、まじで。それ、美味しいの……未知の世界」という状態でした。

里山と田園に囲まれた海のない兵庫県丹波市に生まれ育ち、かろうじて「へしこ」という名前だけは聞いたことがありましたが、じつは食べたことのない摩訶不思議な食材。まさにお初な珍味。

同じようにへしこ初体験の人にこそお伝えしたい、カヨの「はじめましてへしこの世界」をお届けします!

私が今回取り寄せた珍味は、次の2品。

へしこ工房HISAMI(京都府京丹後市)
◆ひさみのへしこ【至福】 (片身1枚入) 864円(税込)


◆旨米鯖のMISOリエット 1,188円(税込)

珍味へしこ入門編
「ひさみの至福のへしこ」

「ひさみのへしこ」のあとに続く「至福」の2文字。
至福とは、広辞苑によると「この上ない幸せ」とのこと。

へしこでこの上ない幸せが得られるのかと気になって、数あるへしこ商品の中からこちらをチョイス。

届いた商品のパッケージを見てにんまり。

よく見ると鯖のボディには京丹後の風景が

鯖のボディに京丹後の海の風景や職人さんの笑顔が印刷されています。へしこの故郷に知らず知らず思いを馳せてしまうこのパッケージ、粋な演出じゃないですか~。
箱の裏面には、ひさみのへしこが誕生したきっかけとなる祖母とへしこの物語が書いてあり、食べる前からなんだか心がじんわりほっこり。

もうここから至福への道がはじまっているの?

さてさて、肝心な中身はというと、鯖の片身1枚のへしこが真空パックで入っています。

片身で30㎝ほどの大きさ。食べごたえあり

これがへしこか~。糠漬けなのでにおいがもっとするのかと思いきや、パッケージを開けた段階ではほぼ無臭。
封を切っても想像していたような糠くささはほとんど感じられません。

私はなぜか「へしこは生で食べるもの」というイメージを持っていたのですが、いやいや違う、炭火やオーブントースターで必ず火を通していただくとのこと。
焼いて食べるものだったのですね、へしこって。新たな学びを獲得。これこそがお初食材と出会う醍醐味。

どうやって食べようか迷いましたが、やはり最初は基本の食べ方。

5センチ幅程度に切って焼いていただきます。
炭火はないし、オーブントースターで火を通すのには不安があったので、フライパンで調理することに。

しかしいったい、何分くらい焼いたらいいの? へしこ初心者マークさんは、ここで一度立ち止まってしまうのでは?
でも大丈夫です。ひさみのWEBサイトには、フライパンや魚焼きグリルで調理する場合の焼き方もしっかり掲載してくれています。丁寧な優しさに嬉しくなります。

詳しくはこちらより。ひさみへしこの焼き方

フライパン用アルミホイルを敷くときれいに焼ける

糠を落とさず焼くことにも驚き。でもさー、糠っておいしいのか?
半信半疑で両面を焼くこと約7分。おなかがぐ~っとなるくらい、鯖の皮と身がじゅわじゅわと焼ける香ばしいにおいがキッチンに漂いだしたら完成!

はじめてなので恐る恐る少しずつ箸でほぐして口に運ぶ。
「え、しょっぱい。けど、ものすごく旨味凝縮!」
日本海の荒々しい波がどっぱ~んと口の中ではじけたようなイメージが脳内を駆けめぐる。 魚の糠漬けという馴染みのない珍味なので、相当くせのある味を想像していたものの、予想に反して食べやすい味に驚きました。

皮はパリッと糠は香ばしく、身はふっくら焼きあがる「ひさみのへしこ」

正直なことを言うと、魚が苦手なんです私。とくに鯖などの青魚は食卓に上がることが少ないんです。さらにそれが糠漬けになってるなんて。どうしよう、食べられなくて記事がかけなかったら……などと悶々としていた気持ちが一気に吹き飛びました。

とにかくご飯が進む。生まれてこの方38年間食べてきたどのおかずよりご飯が欲しくなる逸品! よかった、白ご飯たっぷり炊いといて。
へしこ1切れにつき、茶わん2杯半の白ご飯をおともに、一気に”わんぱく食い”してしまいました。

気になっていた糠の部分は、カリッと香ばしく焼きあがっていて、鯖と合わせて食べるのはもちろん、糠の部分だけを食べるのもいける。

クックパッドなどのレシピサイトを見ると、へしこを漬けた糠でふりかけを作るレシピがありました。余すことなく食べることができるへしこ。これはスーパー珍味ですね。 へしこと白ご飯で「この上ない幸せ」をたっぷり堪能できましたよ。

へしこ初心者こそ食べてみてほしい至福のへしこ

食べ方は未知数。
旨米鯖(うまいさば)のMISOリエット

旨米鯖のMISOリエットは、HISAMIオリジナル糠床、米ぬかに麹、白ワイン、ヨーグルトなど4種類の発酵食品をブレンドした「旨米床」で漬け込んだ旨米鯖。
なんとなくセレブ感漂う鯖に白味噌、マスタード、バターを合わせてリエットにした商品です。手のひらサイズの瓶にたっぷり詰まっています。

ふたを開けて、まずは中身をスプーンですくってみるとけっこう固い。
冷蔵庫保存なので、バターが少し固まっていますが、しばらくすると柔らかくなります。
冬場など寒い時期は湯煎で温めると良いそう。

ところどころにマスタードの粒が見える

ひと口そのまま食べてみると、へしこと同じようにしっかりとした塩辛さだけでなく、白味噌やバターのまろやかさとコク、最後に少しマスタードの独特な酸味が……。
なんとも複雑ながら、旨味が凝縮されたはじめての味に出合いました。
これは間違いなく、パンやパスタなど洋の食材に合う!

鯖の身がたっぷり入ったリエット

まずは、 へしこ工房HISAMIのレシピにあった「鯖MISOリエットのチーズトースト」を少しアレンジしていただきました。

千切りキャベツに鯖MISOリエットを混ぜて、食パンにのせる。さらにチーズをオン。
チーズが溶けたら完成。いただきます。

おうちにある材料でアレンジできる手軽さがいい

スーパーで買ったいつもの食パンが大変身を遂げ、リッチなごちそうパンになりましたよ。感激。
鯖MISOリエットのコクの深さと塩味をしゃきしゃき千切りキャベツが受け止め、さらにチーズのまろやかさでひとつにまとめる。もうひと口、もう一口とかじりたくなります。
キャベツと鯖MISOリエットを混ぜただけでも、旨味たっぷりのおかずや酒のつまみになります。

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別の日にパスタも試してみました。
へしこと九条ネギのパスタレシピがあったので、鯖とネギの相性もいいのねと、オリーブオイルでネギを炒めている途中、トマトも合うんじゃないと思いつきイン。
そこに鯖MISOリエット投入で、アルデンテに湯がいたパスタを合わせる。

鯖MISOリエットをケチらずたっぷり入れるのがポイント

ありありあり、このパスタあり!
カフェで出てくるような味付けになりましたよ。おもわず留守中の旦那に食べさせてあげたいな~と呟いている自分に驚きました。誰かに食べさせてあげたくなるメニューが誕生。

料理が苦手でも、味付けをアシストしてくれる鯖MISOリエット。2022年上半期うちの「ベストオブ調味料」にノミネートしておきます。

へしこは塩辛さが強かったので、5歳になる娘には食べさせるのどうかなと迷いましたが、この鯖MISOリエットを使った料理はとっても食べやすかったようで、「ママの食べてるのもっと欲しい~」とパスタは半分ほど奪われてしまいました。キッズにも喜ばれる味!

そのまま食べさせると小さな子どもには塩辛すぎるかもしれないので、パンやパスタ、ご飯に合わせて食べさせてあげるのが良さそうです。

おうちカフェパスタの完成!

カリッと焼いたフランスパンに鯖MISOリエットをのせて、ピンクペッパーをあしらうと、鯖味噌リエットブルスケッタに。

ワインをおともにまったり映画鑑賞なんかしちゃうと贅沢な時間を過ごせそうですよ〜!

カヨの推しコメント
食べず嫌いなんてもったいない。へしこビギナーはまず「至福のへしこ」で扉をオープン。
鯖MISOリエットはレシピ開発心、探求心をくすぐられる珍味! 家族を恋人を、そしてもちろん自分自身を幸せにする食べ方を探求してみて~!

お取り寄せ先データ

店名味工房ひさみHISAMI (株式会社SEA CRAFT)
店舗住所地産食堂HISAMI
京都府京丹後市丹後町間人1830
TELへしこに関するお問い合わせ先
0772-75-8080
営業時間9:00~17:00
定休日水曜・木曜不定休(月2回)
★お取り寄せ
オンラインストア
HISAMI ONLINE STORE
https://www.store.hisami-kyoto.jp/
※送料はオンラインストア内の全国発送早見表をご覧ください。
HISAMI HPhttp://www.sea-craft.jp/
へしこ工房HISAMI
Instagram
https://www.instagram.com/heshikokobo_hisami/
へしこ工房HISAMI Facebookhttps://www.facebook.com/heshiko.hisami/

★北近畿地方の珍味メーカーのみなさまへ★
ふくたんは「北近畿チンミ共和国」で取り寄せる珍味を調査しています。「うちの珍味も記事で紹介してよ」「ウタコさん、カヨさん、うちの珍味を一度食べてみて」という連絡をお待ちしております。

ふくたんのメール
fukutan.net@gmail.com

もしくはInstagramのDMで倉田楽までご連絡ください。
https://www.instagram.com/fukutan_net/

ふくたんチンミニ知識

へしこってどんな食べ物?
へしこは、鯖や鰯などの魚を塩漬けしたあと、糠に長期間漬け込み、熟成させた保存食で、福井県若狭地方と京都府丹後半島の郷土料理です。これらの地方は、冬は積雪が多く、時化で漁ができない日が少なくありません。そこで厳しい冬を乗り越えるための保存食としてへしこが生まれました。現在はおもに石川県から鳥取県までの日本海沿岸地方で生産されています。

この変わった名前の由来は?
へしこの産地である若狭地方では、樽に重石をかけて漬け込むことを「圧(へ)し込(こ)む」と呼んでいました。これが略されて「へしこ」となったという説が有力です。このほかに、魚を塩漬けにしたときに出る水分の「ひしお」(醤、干塩、干潮)がなまったという説もあります。

へしこの栄養は? 健康面での効果は?
青魚の脂肪に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)がコレステロールや中性脂肪を低下させ、生活習慣病の予防に役立ちます。また、鯖に代表される青魚はアミノ酸の化合物「ペプチド」を多く含み、血圧抑制や血液さらさら効果、糖尿病の症状改善効果などがあります。へしこの場合、青魚を糠漬けにすることによりペプチドが増加するので、効率的に摂取できます。

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