和食 ほぼ毎日ランチ部

金時【福知山/和食】明治39年創業の老舗、広小路にある大衆食堂

40年ぶりに”再会”した老舗の味
あの素晴らしい「ごっつぉう」をもう一度

Vol.1 【2020年6月某日のランチ】
「金時」の親子丼600円、きつねうどん500円 合計1,100円

「ふくたん」内の部活動「ほぼ毎日ランチ部」、略して「ほぼラン」。その日に食べたランチを写真と文章で紹介する企画である。
記念すべき第1回目。選んだのは明治39年(1906年)創業の老舗、福知山市広小路にある大衆食堂「金時(きんとき)」だ。
子どもの頃、家族で福知山市内に出向き、「ごっつぉう(ご馳走)を食べる店」といえば、いつも金時だった。生粋の福知山市民なら、一度は訪れたことがあるだろう。そういう意味では、福知山市ではこの店の味が丼やうどん、ラーメンのスタンダードになっているといえるかもしれない。

のれんに「創業明治三十九年」と記してある。これをくぐれば「金時ワールド」だ。

店主に「40年ぶりに来ました」とあいさつすれば、「よく来てくれましたね。お客さんが食べられたときと同じ味やろか」とほくほく顔で返してくれた。
金時のメニューは、「うどん、そば、ラーメン」「どんぶり、ごはんもの」「お寿司、一品料理」に大別される。麺類、丼だけでなくカレーライス(650円)や鯖バッテラ(1箱500円、半分250円)も人気だというから驚く。

ところで、麺類と丼類を供する大衆食堂には、「ダシがうまいうどん、ラーメンをつくる店では丼もうまい」という定説があることをご存知だろうか。丼のベースに用いるダシが、麺類に使われているものだからだ。なお、金時のダシはカツオダシである。
注文したのは、親子丼ときつねうどん。どちらも子どもの頃にこの店で口にしたものだ。オレの舌は、はたして当時の味を覚えているだろうか。
厨房から女将さんがカシャカシャと卵をとく音がした。こういう“厨房ライブ”は耳に心地よい。数分後、先にきつねうどんがテーブルに届き、続いて親子丼が隣に並んだ。
まず、親子丼に挑んだ。特製ダシで煮た鶏肉をトロリとろける半熟卵が包んでいる。おお、久しぶり、キミか。そうだよ、黄身だよ!
濃厚なコクの黄身を箸ですくって口へ運んだ。うむ。ほくほく、パクパク。舌の上で甘みが躍り、じんわりと広がっていく。箸で半熟卵の表面を掘るように進めば、卵の下からごはんが「よっ、コンニチワ」といった表情であらわれた。

親子丼。とろり半熟卵がたまらない。口いっぱいに甘さが広がる。うーん、なつかしい味だ。

ダシが染みたごはんをかきこむ。きつねうどんのスープをすする。ずるずる。やさしい味が薫風のように喉を通り抜けた。舌が記憶をまさぐる。そう、これこそが、あの素晴らしい「ごっつぉう」だ。
続いて親子丼の鶏肉を見つめる。うむ。表面に半熟卵をまとった鶏肉もオレを気にしているかのようだ。ええい、問答無用じゃ~。パクパク。肉はやわらかくダシが染み込んでいる。パクパク。ごはん、半熟卵、鶏肉。あっという間に丼の底が見えてきた。

ここで、ごはんをひとくち分だけ残して、きつねうどんに挑んだ。濁りのないスープ、うどん、三角のあげが二枚、その上にネギ。何も足さない、何も引かない「シンプルイズ最高」の完成品。やさしく奥深い味のスープと、甘く炊いたあげを交互に口にしたあと、うどんをツルツルすすった。ツルツル、ごっくん。ツルツル、ごくごく。子どもの頃を思い出し、戻りながら前進する短い時間。ささやかな幸せ。

きつねうどん。シンプルイズ最高。何も足さない、何も引かない。雑味がないので飽きない味だ。

残しておいた親子丼のごはんを最後にかきこみ、きつねうどんのスープで流し込んだ。余韻までやさしいではないか。40年ぶりに”再会”しても、やはり金時無双。
(らく)

店名金時(きんとき)
住所京都府福知山市上紺屋44
電話番号0773-22-4053
営業時間11:00~14:00
定休日火曜日

※料金と上記データは2020年6月8日時点のデータです。

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