長きにわたり水害に苦しめられてきた福知山
治水・防災のあり方を学べる治水記念館
福知山市を流れる由良川。その流域では、大雨の際に堤防が決壊するなどして地元住民は水害に苦しめられてきました。治水記念館は、こうした水害と水防の歴史を語り継ぎ、これからの治水・防災のあり方を考えていくための市の施設です。
記念館の建物は、1880(明治13)年に建築された市内で最も古い町屋のひとつ。敷地の背後は由良川に面しており、かつて船運を使用していた商家(呉服店)の佇まいを残しています。
※さらに詳しく知りたい人は福知山市の観光・文化施設の紹介をご覧ください。
https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/soshiki/7/2009.html
名称 | 福知山市治水記念館 |
住所 | 京都府福知山市下柳町39 |
電話番号 | 0773-22-4200 |
営業時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
入館料 | 無料 |
★治水記念館のココを見よう①
荷揚げ用の吹き抜け空間「タカ」と滑車
この町屋には水害に備えたいろんな工夫がほどこされています。そのひとつが、荷物を階上へ避難させるための「タカ」と呼ばれる吹き抜けの空間。洪水時には荷揚げ用の滑車を用いて商品や家財を1階の踊り場から2階、屋根裏へと合わせて持ち上げていきました。
また、屋根裏には避難部屋が設けられています。階下の水が引くまで家族が屋根裏部屋で耐えしのいだことが想像できます。
★治水記念館のココを見よう②
ばったり床几(しょうぎ)
京都の町屋でよく見かける折り畳み収納式腰掛け。「ばったり床几」という呼び名は、たたむ際に「ばったん」「ばったり」と音がすることに由来。この町屋が呉服店を営業していた頃は、台の上に商品を並べて販売していたそうです。現在は、観光客が軒先でひと休みするベンチとしても使われています。
倉田楽 京都・福知山事務所代表。フリーの編集・ライター。美しいフォームでの「自撮り逆立ち」の追求をライフワークとする、神出鬼没で予測不能の男。