文・撮影 ちょい旅ライター 水田ウタコ
「人生、行き当たりばったり」が信条の水田ウタコが、北近畿周辺の施設や飲食店に出向いて、見たこと、感じたことを自由につづる「ちょい旅」紀行。第2回は、福知山市新町にあるアートスペース「シンマチサイト」。子どもたちがアートワークショップ「ダンボールでかくれが大作戦!」に挑んだ。
夏休み has just begun
夏休みに入って早々に4連休。
世間は酷暑だオリンピックだと騒いでいるけど、幼児・児童のいる家庭は「夏休みっつうけど、家事育児に休みなんかねえんだよ」「普段は朝と夜ごはんだけ作る生活が1日3食作るとか、ほんまエンドレスでご飯のこと考えとるわ」「ごはん食べながら次のごはんの思案をする日々」と不平不満大爆発のことと存じ上げます。
夏休みがはじまると再認識する学校のありがたさ。
大丈夫、我が家も同じです。
親も子も、気を抜き力も抜きながら暑すぎる夏、短いようで長い夏休み期間を乗り切るしかありません。
そんな我々に助け舟が。
夏休みアートワークショップ01 【ダンボールでかくれが大作戦!】
広い空間でダンボールを使って思う存分かくれがを作れるというおもしろそうなワークショップ。子どもたちにチラシを見せて「興味ある?」って聞いたら、間髪入れず3人そろって「行くに決まってんじゃん」と即答。その場でポチっと申し込みを済ます。 目指すはシンマチサイト。
ダンボールでかくれがを作るぞ!
「何人来とってんやろ?」「どれだけダンボール使っていいんやろ?」「何作ろうかなぁ」と期待に胸を膨らませる子たち。
私は会話を聞きながらも、心の中でランチタイムの思案にくれる。母はいつだって腹ペコよ。
福知山市にある新町商店街は、昭和レトロなアーケードが特徴的な商店街だ。昔懐かし風情を残しつつも、「まぃまぃ堂」や「ヒカミヤ」といったセンスのよい店舗、レンタルスペースの「アーキテンポ」が並ぶ。
今はお休み中だけど、かつては多彩なお店が並ぶマルシェ「福知山ワンダーマーケット」を開催していた。歴史は古いけど、けっして古ぼけていない商店街なのだ。
シンマチサイトは、かつて家具屋だった場所。さまざまな人の手によってリノベートされ、展覧会を開いたり、ワークショップをおこなえたりするアートスペースに変身。創作活動ができる広々としたアートスペースが、街なかにあるって貴重なこと!
今回の参加者は6組ほど。子どもは15名くらいで、大人が参加しているグループもある。
我が子たちは個人プレイ派
今回の講師、新井厚子さんによる趣旨説明。
「一人でひとつのダンボールハウスを作ってもいいし、グループでひとつ作ってもいいし、この中央にあるダンボールハウスにダンボールを付け足して広げていってもいいですよ」
用意された空間とダンボールを思う存分使って、あとはお気に召すまま。制約がないフリースタイル建築ね。
「カッターには気を付けて」
「ペンとか色鉛筆とかで好きなように絵を描いてもいいよ」
了解しました!
作業スタート。
おのおのダンボールを手に取り作業を開始する方々。どうしようか考えあぐねたり、考えるより先に手を動かしてみたり。みんな動きはさまざま。
なんにせよ我が子たちは個人プレイ派で、共同作業はしないだろうなとの母の予想、見事的中。
職人か宮大工かのように繊細でアート作品のような建物を作る長男。
豪快に感情の赴くままにつぎはぎを足し続け、違法建築すれすれの構造物を建築する次男。
家とかよくわかんないけど、かわいい猫を描きたい娘。
三者三様の工務店。
子どもたちがそれぞれ制作に没頭する姿を見ていると、普段の生活ではスルーしてしまいがちな子どもたちの個性や、今の個人的なブームみたいなものが見てとれる。ドタバタの日々の中で心の余裕がもてていないことに、はっとする私。ちょっと反省。
1時間強、作業を続け、周りの面々も続々と完成。
次男、娘も制作を終える中、ディテールにこだわりたい長男の作業がなかなか終わらない。そこで長男は、下請けとしてダンボールをぺりぺり剥がす作業を弟妹に発注する。
そんなこんなで完成~
完成した作品をぐるりと見て回るツアーも開催。
作っている最中はお隣さんの作業をゆっくりと見る余裕がなかったけど、じっくり拝見するとそれぞれギミックもセンスも光る素敵なダンボールハウス揃い。
動く家、パンダ推しの家、広大な家、屋根がキュートな家。
1時間強の短い時間で、だれが教えるわけでもないのに多彩な家ができるなんて子どものクリエイティビティは素晴らしいもの。芸術は大爆発よ!
シンマチサイト アートワークショップ ダンボール大作戦!
第2回は8月28日(土)開催予定
第1回と同じくダンボールを使ってミニチュアハウスをつくります。
詳しくはシンマチサイトをご覧ください。
https://www.shinmachisite.com/posts/19419872?categoryIds=3063400
完成したダンボールハウスを一部持ち帰り、シンマチサイトの隣の隣にある雑貨店「ヒカミヤ」
がたまたま月に一度のオープンデーだったので立ち寄る。
わたくしごとですが、ちょうどこの日は伴侶S氏の誕生日。
父にプレゼントを買いたい次男は、ヒカミヤにてシーリングスタンプを購入。
「お父さんが手紙書いてるとこ見たことある…?」
「ない。けどこれを買う」
「…さようか」
夏のランチはカレーでしょ
おなかもすいたので、今、綾部市西部で話題沸騰のお店へ。
向かったのは「SPACE09たまにたねふね」です。
5年くらい前までカフェがあった場所に、最近、スパイスカレーとタコスを提供する店がオープン。
店内は前店舗の面影を残しつつも、興味深い漫画や本がたくさん並んでおり、福祉との関わりなども深く、今後さまざまな動きがありそうな楽しみな場所。
たねふねさんのカレーは、小麦粉不使用で胃にやさしい。スパイスカレーとはいえ、いわゆる「日本のカレー」といった感じでアジア料理系が苦手な人にも食べやすい。
以前はいろんなイベントで出店されていて、さまざまな場所でよく食べていた懐かしのたねふれカレーが、綾部でお店をもたれるとは。感激の極み。
何を頼もうかなぁと悩んでいると、お店の人が「メニューには載ってないんだけど、辛くないお子様カレーもありますよ」と教えてくださった。
娘はカレーが好きなのにも関わらず、辛いのが苦手なうえに小食。お子様カレーが到着するやいなや「これなら食べられる!」と意気揚々とカレーをかきこみ続け、最終的には母のごはんも奪っていく始末。こんなこと、かなりレア!
長男はおなかがぺこぺこでふらふらだったので、「今なら皿まで食えるぜ!!」との勢いでぜんぶ盛り。お店の人が「お米の量を減らすこともできますが……?」と聞いてくださったけど、長男は「いや、ノーマルで」とやんわり。
たねふねカレー(チキンとトマトベース)とキーマカレー、その上にタコライスがのるという、なんとも魅惑の三重奏。サラダもどっさり添えられているが嬉しいところ。
キーマカレーはガツンとくる辛さ、それをマイルドにしてくれるトマトの酸味が優しいたねふねカレー。たまに気分を変えたいときはタコライスに浮気をして……といつまでも止まらないお口の中のエレクトリカルパレード。
ヤセの大食い系の長男ですらなんと食べきれなかったほどのボリューム。これで1,000円ってまじっすか…。(残ったのは次男がペロリと頂きました)
「カチャトーラてなんよ」と初耳の陽気な響きに惹かれてキーマカレーとカチャトーラの2種がけ(塩麴チキンのせ)を注文。
イタリアンな感じで、トマトで煮込んだチキンがカチャトーラ。これは美味しい! 願わくば、赤ワインと一緒にキメたい気分。でも、真夏の昼間にご飯をがっつくのはもちろん満足。チキンがやわらかく溶けていくのも至福の食感。
この上にのっている塩麴チキンも、一見ぱさっとしてる風に見えるけど、ところがどっこい、上品にしっとりしていて、カレーのパンチをまろやかにしてくれる。
注文を待つ間も食べ終わってからも、ここにはたくさんの気になる書籍がたくさんあるのでいつまでも居座れてしまう。涼しく快適、ドリンクもいろいろある模様。夏休みの子どもとのランチメニューに尽きたらここに来よう。
【施設データ】
施設名 | シンマチサイト |
住所 | 福知山市下新3 旧さいとう家具店 シンマチサイト実行委員会 |
TEL | 090-9147-0374 |
店名 | SPACE09たまにたねふね |
住所 | 綾部市新庄町八田古8-4 |
TEL | 0773-21-7375 |
営業日 | 木・金・土、たまに日 |
営業時間 | 当面は11:00-18:00 |
【今回のお小遣い】
<シンマチサイトWS>
1組 500円
昼ごはん
<SPACE09たまにたねふね>
・キーマカレーとカチャトーラの2種がけ(塩麴チキンのせ) 1,050円
・ぜんぶ盛り1,000円
・キーマカレー700円
・おこさまカレー500円
生きることは旅すること。ハイボール片手に、「通い猫」と「3人組」を愛でながら生きる会社員兼おかん。京都府綾部市在住。
https://www.instagram.com/utaco_1211