福知山にも大名庭園があった?
池や島、鷹部屋を配した御泉水
ちきり屋の前に設けられた案内板には、江戸時代の福知山城周辺の地図が掲載されており、「御泉水跡(ごせんすいあと)」と記されています。福知山城本丸の南側に位置するこの周辺には、江戸時代に「御泉水」と呼ばれる大名庭園が設けられていたということです。


福知山城今昔地図を見ると、御泉水は現在の市役所と同じくらいの広さであったことがわかります。庭園には、池や島、鷹部屋が置かれていたそうなので、御泉水は江戸時代に全国の大名のあいだでブームになった大名庭園であったと考えられます。
大名庭園の池は海や川を表現し、池の中に置かれた岩は「島」に見立てられました。御泉水が大名庭園として残っていたら、強力な観光資源となっていたことでしょう。
また、「御泉水の東南には堀と土居・瓦塀がめぐらされ、城郭地区と屋敷地区を区切っていた」と説明されていることから、御泉水は福知山城と武家屋敷をつなぐゾーンに位置していたがわかります。庭園の周囲には武家屋敷が並び、武士たちはここから福知山城を見上げていたのではないでしょうか。
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倉田楽 京都・福知山事務所代表。フリーの編集・ライター。美しいフォームでの「自撮り逆立ち」の追求をライフワークとする、神出鬼没で予測不能の男。