空き店舗を利用した新店が活性化の引き金
“昭和レトロ感”あふれる新町商店街
広小路通りとお城通りを結ぶ新町通りは1902(明治35)年に開通。以降、通り沿いに商店が並ぶようになり、昭和に入ると木煉瓦で舗装され、天井にスズラン灯が設置。屋根をしつらえた約500メールの長さの新町商店街は1970年代初頭まで、広小路商店街とともに福知山の商業の中心地として栄えました。
その後、自動車交通の発達や大型ショッピングセンターの開業、経営者の高齢化、後継者不足などにより衰退。現在は、休日でも人通りの少ない”レトロなアーケード商店街”となっています。
そんななか、2008年にカフェと雑貨の「まぃまぃ堂」がオープン。その10年後の2018年5月、福知山公立大学まちかどキャンパス「吹風舎(ふくちしゃ)」が開設。2019年4月には、空き店舗を利用したレンタルスペース「アーキテンポ」が開店して話題に。毎月第4日曜に開催される定期市「福知山ワンダーマーケット」は、かつてのようなにぎわいをみせています。
★昔の新町商店街、ココに注目!
天幕のアーケード
これは戦前の新町商店街の様子。各店舗の前に掲げられた「新町会の大売出し」ののぼり旗と子供たちの後ろ姿が当時の活気をあらわしていますね。よく見ると通りを覆うアーケード(屋根)は天幕のようです。アーケードが常設される以前の状態がわかります。
【写真提供:ヨシヤ】
新町商店街の魅力再発見!
誰も歩いていないのが新鮮?!
新町商店街の魅力は、昭和レトロ感が漂う、いまどき珍しい商店街であること。
平日はもとより、土日閑散としているので、寂しさを覚える人がいるのは事実です。そのいっぽうで「誰もいない商店街はむしろ新鮮!」「近未来の世界みたいでドキドキする」という観光客は少なくありません。これも新町商店街の新しい魅力、いや、魅力の再発見といえそうです。
★歩くときはココを見よう!
レトロ看板
店舗の上に取り付けられた昭和時代の看板がそのまま残っています。頭上に並ぶシンプルな店名と、最近見かけない書体はまるで「レトロ看板の見本市」。年配者には懐かしく、若い人には新鮮に映るのではないでしょうか。
倉田楽 京都・福知山事務所代表。フリーの編集・ライター。美しいフォームでの「自撮り逆立ち」の追求をライフワークとする、神出鬼没で予測不能の男。