福知山城再建の鍵はここにあった!
小さなことからコツコツと「瓦一枚運動」
福知山城の再建計画は、1982(昭和57)年に当時の塩見精太郎福知山市長が議会で建設の意向を表明したのを契機に具体的になりました。
建設予算は当初7億円。工配法(工場配置促進法)の補助金や開発公社からの寄付を充てましたが、それではまったく足りないため、福知山市は市民らから寄付を募る計画を立てたのです。
寄付の大半を占めたのが、「瓦一枚運動」と呼ばれる一般市民からのものでした。城に使う瓦1枚に付き3000円以上を1口として寄付を募るというものです。こうして集まった寄付は5億円余り。このほかに一般寄付1億6000万円、国庫補助1億4000万円、京都府補助230万円などもありました。
再建の総事業費は最終的に8億1372万円だったので、総事業費の約63%を「瓦一枚運動」による寄付でまかなったことになります。ですから、福知山城再建の鍵は市民の寄付にあったといえるでしょう。
なお、瓦の裏側には「瓦一枚運動」で3000円以上寄付した人の名前が書かれ、福知山城の屋根に使われています。
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倉田楽 京都・福知山事務所代表。フリーの編集・ライター。美しいフォームでの「自撮り逆立ち」の追求をライフワークとする、神出鬼没で予測不能の男。